クラウドファンディングで金融商品取引法登録は必要か?

 

  従来の銀行からの融資や上場株式の発行とは異なる資金調達の手段としてクラウドファンディングが注目されています。ここでは、クラウドファンディング事業(プラットフォーム事業)を行うにあたり注意すべき金融規制について説明します。

 

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、crowd(群衆)とfunding(資金調達)を組み合わせた造語で、インターネットを通じて多くの人から少額ずつ資金を集める資金調達の手法です。

従来は銀行や国民生活金融公庫等からの借り入れがほとんどでしたが、近時はたくさんの会社や個人が自分のビジネスプランを実現するため、クラウドファンディングによりたくさんの資金を調達しています。

 

クラウドファンディングの種類

⑴ 投資型と非投資型

クラウドファンディングは大きく投資型(株式型・ファンド型・貸付型)と非投資型(購入型・寄付型)に分けられます。投資型クラウドファンディングは、出資に対し金銭的な利益によるリターンが想定されます。他方で、非投資型では商品やサービスの購入、寄付がなされ、金銭的価値によるリターンは想定されないという違いがあります。細かい違いについては後述しますが、大きくは①投資型は資金を集めやすいが法規制が厳しく、②非投資型は資金を集めにくいが法規制が緩やかである、という特徴があります。

⑵ 投資型クラウドファンディング

  投資型クラウドファンディングは、株式型、ファンド型、貸付型に分類できます。①株式型は株式をリターンとして出資を募る方法、②ファンド型は、ファンド持ち分(プロジェクト利益の分配金)をリターンとして出資を募る方法、③貸付型は、利息と元本償還をリターンとして出資を募る方法です。

⑶ 非投資型クラウドファンディング

  非投資型クラウドファンディングは、購入型と寄付型に分類できます。①購入型は、商品やサービスを購入してもらうことにより出資を募る方法、②寄付型は、社会問題に取り組むプロジェクト等に寄付してもらうことにより出資を募る方法です。

 

クラウドファンディングに関連する法規制

  クラウドファンディングを規制する法律として、金融商品取引法、不動産特定共同事業法、貸金業法、資金決済法等が挙げられます。

⑴ 株式型クラウドファンディングと金融規制

  株式型では、金融商品取引法上の規制として、第一種少額電子募集取扱業者の登録が必要です。そして、金融商品取引業者として投資者保護のために、ネットを通じた適切な情報提供やベンチャー企業の事業内容のチェックが義務付けられます。

⑵ ファンド型クラウドファンディングと金融規制

  ファンド型では、金融商品取引法上の規制として、第二種金融商品取引業者の登録と電子募集取扱業務の登録が必要になります。これらの業登録を緩和した第二種少額電子募集取扱業者としての登録という方法もありますが、実例が見られないのが現状です。また、投資判断に関する助言等を行う場合は、これらのほかに投資運用業、投資助言・代理業の登録も必要になります。そのほか、不動産ファンドを扱う場合には、不動産共同特定事業者として許可を得ることが必要になります。

  ファンド型においても株式型と同様に、投資者保護のために、ネットを通じた適切な情報提供やベンチャー企業の事業内容のチェックが義務付けられます。

⑶ 貸付型クラウドファンディングと金融規制

  貸付型では、匿名組合を組成し集まった金銭を貸し付けるという方法が一般的で、金融商品取引法上の規制として第二種金融商品取引業者の登録が必要です。また、貸金業法上の規制として貸金業の登録が必要です。貸付型では、貸金業者として一定の財務基盤が要求されます。

⑷ 購入型・寄付型クラウドファンディングと金融規制

  購入型・寄付型では、資金が出資者からクラウドファンディング事業者を通じてプロジェクト実施者に流れます。ここで、隔地者間において直接現金を輸送せずに資金移動を遂行する取引は為替取引に当たり、資金決済法の規制として資金移動業の登録が必要になります。もっとも、類似のサービスを登録することなく行う方法として、決済代行スキームを検討することも可能です。

 

 まとめ

  以上のようにクラウドファンディング事業には様々な金融規制が存在します。上記の法律による規制のほかにも日本証券業協会や第二種金融商品取引業協会の自主規制も存在し、金融規制は非常に複雑です。クラウドファンディング事業を検討する際はぜひ専門家にご相談ください。