1.投資運用業登録が必要となる事業

金融商品取引業としての「投資運用業」は、次のいずれかの行為を業務として行うことをいい(法28条第4項)、下記の事項に該当する場合、投資運用業に登録することが必要です。

(1)投資信託の運用委託契約その他投資一任契約に基づいて、有価証券又はデリバティブ取引に投資し、金銭その他の財産の運用を行う業務(法第2条第8項第12号参照)。
(2)投資信託の運用として有価証券又はデリバティブ取引に投資し、金銭その他の財産の運用を行う業務(法第2条第8項第14号参照)。
(3)ファンド等の運用として有価証券又はデリバティブ取引に投資し、金銭その他の財産の運用を行う業務(法第2条第8項第15号参照)。

つまり、

①投資家から集めた資金をもとにして、会社の株式や社債を購入する行為は投資運用業の行為に当たります。

②投資家から集めた資金をFXなどに投資する行為も通貨(外国通貨)による運用に当たり、投資運用業に該当します。

③不動産流動化の手法として、不動産を信託し、当該不動産信託受益権に対する資金拠出を募るなどのスキームも投資運用業に該当します。

旧投資顧問業法では、有価証券又は有価証券関連のデリバティブ取引に関する投資一任契約だけが認められていましたが、 この投資運用業では、有価証券関連以外のデリバティブ取引に関する投資一任契約も認められています。 また、同様に、投資信託の運用対象も有価証券関連以外のデリバティブ取引にまで拡大されています。
さらに、有価証券又はデリバティブ取引に投資するファンド等の運用も投資運用業に含めて規制の対象としています。

 

2.投資運用業の条件

この投資運用業の登録要件は、第一種金融商品取引業とほぼ同様であり、第二種金融商品取引業や投資助言・代理業と比較して厳しくなっています。
例えば、株式会社であることの規制や、最低資本金規制(5000万円以上)、純財産額規制、主要株主規制等を受けることになります(法第29条の4第1項第4号・第5号)。

また、投資運用業者は付随業務及届出業務を幅広く行うことが出来(法第35条第1項より第)3項まで)、これ以外の業務を兼業する場合には、内閣総理大臣の承認が必要です(法第35条第4項)。

 

3.適格投資家限定の投資運用業(プロ限定の投資運用業)

もともと投資運用業を行う場合には、販売勧誘について第一種金融商品取引業(組合出資持分等については第二種金融商品取引業)の登録、運用について投資運用業の登録が必要でした。

この投資運用業の登録要件は投資家保護の観点から厳格かつ画一的であり、投資家が金融機関や証券会社のプロだけに限定している場合であっても未登録業者は投資運用業を行うことはできませんでした。そこで今回の改正で、投資運用業の登録要件を一部緩和した「適格投資家向け投資運用業」という特例を新設することで、投資運用業の立上げを促進することにしました。

適格投資家向け投資運用業の概要は次のとおりです。

(1)第一種金融商品取引業の登録を受けなくても、自ら運用を行うファンド持分の販売勧誘が行えるようになります。

(2)投資運用業の登録要件と比較して、人的構成要件を厳格かつ画一的な要件から最低限必要な人員等へ、資本金・純財産額規制を5,000万円以上から1,000万円以上へ、株式会社の要件を「取締役会設置会社でかつ取締役3名以上」から「監査役設置会社で取締役1名以上」へ、と条件が緩和されます。

適格投資家とは特定投資家その他その知識、経験及び財産の状況に照らして特定投資家に準ずる者として内閣府令で定める者又は金融商品取引業者と密接な関係を有する者として政令で定める者をいいます(新金商法29の5③)。適格投資家の一例として、適格機関投資家、国、日本銀行、上場会社、資本金5億円以上の株式会社、特定目的会社、外国法人などがあります。

 

4.総括

このように、投資運用業登録の要件は非常に厳しくなっており、厳しいコンプライアンス体制、財産要件を満たす場合のみ登録が可能となります。そのため、投資助言代理業や第2種金融商品取引業と比べても登録数はかなり少ないです。逆にいえば、登録する価値は非常に高い金融商品取引業であるといえます。

ただ、適格投資家の投資運用業の特例により、プロ投資家のみで組織されるファンドについては条件は緩和されます。

なので、今後は適格投資家の特例を用いたファンド組成が増加していくと予想されます。

 

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第2種金融商品取引業登録